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 6月1日、現代アートの祭典「茨城県北芸術祭」の実行委員会総会が持ち回りで開催され、2019年秋の開催が全会一致で延期が決定されました。
 大井川和彦知事は、就任当初から「一過性のイベントに終わらせず、継続的な地域振興につながる形で開催できるよう在り方を見直す」しており、県北の日立市を始めとする5市1町の首長も、その考え方に同意しものです。
 次回開催時期は明示しておらず、関連事業の取り組み状況を踏まえ、あらためて総会に諮るとしています。どのような取り組みをすれば開催するかなど、具体的な条件は示されていません。
 茨城県は平成30年度予算に、県北芸術祭関連の予算を計上せず、代わりに、県北地域に居住・滞在する若手芸術家を招く「県北芸術村推進事業」などをスタートさせています。
 県北芸術祭を巡って、井手よしひろ県議は3月議会の代表質問で、「次回開催を心待ちにする県北の住民の声は大きく、地元市町と十分意見交換を行い、県北6市町が呼吸を合わせて、次回県北芸術祭を開催できる環境を醸成すべき」と指摘しました。その上で、「2017年5月の実行委員会では、次回開催が来年2019年と決定しています。しかし、当初より、我々茨城県議会公明党は、次回開催を2020年と提案してきました。茨城国体や東京オリンピックの開催時期と重なることを考えると、再度検討することも必要である」と時期の見直しを提案していました。
 この質問に対して、大井川知事は以下のように答弁しました。
「芸術祭を開催するのであれば、単なる一過性のイベントとして終わらせるのではなく、開催による成果を蓄積し、地域密着の芸術によるまちおこし、継続的な地域振興につなげていくことが重要であると考えております。そのためには、アートを有効に活用し、地域をいかに元気にしていくか、自ら考え、主体的に取り組んでいくことが何より重要であり、そうした体制をしっかりとつくっていくことが必要であります。そこで、まず、地域主体の地域づくりに向けた気運の醸成、地域づくりのリーダーとなる担い手の育成・組織化を積極的に進めるとともに、地元の方々とアイデアを出し合いながら一緒になって観光誘客や地域づくりなどに取り組んでまいりたいと考えております。次回芸術祭については、こうした取組みの効果が現れ、アートをきっかけに目に見える形で地域が変わっていく、その集大成として開催するのであれば、継続的な県北地域の振興につながる、大いに意義のあるものになると考えております」

 2019年は茨城国体と開催時期が重なるために、県北芸術祭の開催は難しいと考えられます。また、2020年は東京オリンピックにあたるため、総合ディレクターを務める南條史生氏がオリンピックの文化プログラムに関わるため、県北芸術祭との関わりは困難と思われます。順当に考えても、2021年以降の開催となるのではと考えられます。その間、地域毎に継続的な文化運動として、県北芸術祭の流れを充実させ、県北の振興、地方創生につなげていくことが重要です。