160823kenpoku私も、そのひとつ茨城県北の芸術祭を引き受けている。私が県北芸術祭を引き受けた理由は、20年前から茨城県守谷市のARCUSというアーティスト・イン・レジデンスの審査員をつとめてきたからだ。

さて芸術祭のコンセプトを考えるに当たって、茨城県の歴史・文化を調べてみた。茨城は岡倉天心のいた五浦がある。またクリストがアンブレラ・プロジェクトをやったことでも知られる。意外にアートと関係があるともいえる。歴史的には高萩では常磐炭鉱が栄え、日立では銅山が日立製作所の拠点となってきた。つくば市では1985年に科学万博が開かれ、今は大学町として栄えている。しかしそれを取り巻く、自然も素晴らしく、海側では太平洋に開け、山側には大子町や常陸大宮市、常陸太田市の里山風景もある。

ということで、それぞれの要素を勘案して茨城県北芸術祭は自然と対話するアート、科学技術を使ったアート、そして地域と対話するアートという三つのカテゴリーから構成することにした。またハッカソン(ハッキングとマラソンの合成語)でアーティストを選ぶという、芸術祭でも始めての方法論で参加アーティストを選んだ。ARCUS出身のアジアの作家も大勢招いた。結果として全部で80組以上の参加作家を組織した。

引用先:[通信アジア] 茨城県北芸術祭開幕に向けて:南條史生(http://www.art-annual.jp/column-essay/column/61317/