ワン・テユ
台湾から来日中のワン・テユさんが、旧家和楽青少年の家で、巨大なバルーンを制作しています。
建物の吹き抜け部分いっぱいに広がるバルーンは実際に中に入って歩くことができます。
まるで、建物の内部に“皮膚”がついたようなインスタレーションは、内と外、軽さと重さ、柔らかさと堅さといった人間の感覚を揺らがせるような作品です。
(文:外山、写真:小室)

旧家和楽青少年の家
ワン・テユさんは、1990年代より「空間がそこにある」という感覚をファブリック素材を使って表現する試みを始めました。
開放的なガラス張りの吹き抜け空間にあらわれた大きなバルーン。半透明でソフトな存在感が、不思議な魅力を放っています。バルーンは外から見たり触るだけでなく、内部に入ることができます。外から見るのと違って、内部は異世界的な環境です。体験者は普段の知覚や身体感覚から自由になり、内部を巡ることで、バルーンを動的に変容させていきます。外から見ると、体験者の動きとバルーンが、ひとつの生き物のように見えるかもしれません。

E-11 P158 ワン・テユ
旧家和楽青少年の家:常陸大宮市家和楽161