友子の噂
 開幕初日(9月17日)のオープン直後の会場に行ってきました。行く途中、バスの中から見た会場周辺は、カメラを持った方々や腕章やネームプレートを着けた関係者と思われる方々などがちらほらと見え、いよいよ始まったなという雰囲気がでていました。
 会場はビルの2階にあり、階段を上って、正面左側に「勝手口」の扉が、右側面の扉が「入口」でした。中に入ってみると暗くて、足元も見えない状況でしたが、右前方に大型スクリーンモニタにカラオケを歌っている様が映し出され、左手側にカウンターとママさん方がインタビューに答えているモニタがあり、左端にニュース画面をイメージした様な映像が流れていました。
 作品紹介にも書いてあったように、全体としては「塙山キャバレー」をモチーフにした居酒屋の中で、ママさん方の昔話を聞きながら「そういえばそんなこともあったんだ」と自分自身も含めた昔の出来事を再発見できる場として感じてきました。欲を言えば、カウンターテーブルの上には飲みかけのグラス、カウンター奥の棚にはボトルでも置いてあれば良かったかなとは酒飲みの感覚か。
【鑑賞記・写真:山崎 勝敬】

友子の噂
A-23 P-70 加藤増田齋藤岩沢KMSI(A Wonder Lasts but Nine Days -友子の噂-)
日立市多賀町1-15-3花金ビル2階

国際展では初となるアートハッカソン、KENPOKU Art Hack Day(2015)で、Kanako Saitoの案に賛同し、岩沢卓、増田拓哉、加藤誠洋の計4名がユニットを結成しました。彼らは、「山中友子」と呼ばれる鉱山の鉱夫たちの互助制度について調査を行い、忘れられた歴史を探り出していきました。その調査で得られた知見を、日立市にあるバラックの飲み屋街「塙山キャバレー」と結びつけ、私たちが史実として捉える「歴史」が取りこぼしていってしまう、小さなコミュニティの噂や出来事を、もう一つの歴史として紡ぎ出していきます。