テトラパッド
この作品は、ニティパク・サムセンの「テトラパッド」で、「落ちてきた空」の隣に広がる同じ前浜海岸の砂浜に展示されて居ますので、「落ちてきた空」を見て、首を横に動かすだけで、新しい別の作品が見られます。すぐ目に留まりますので、赤や黄色のテトラポットの形をした、ビニール加工品の装飾かと思いましたが、「落ちてきた空」を見て居る人から、あれも県北芸術祭作品だと教えられて、はじめて作品だと知ったというのが本当の所です。
テトラパッド
とにかく親しみやすい作品です。作者のニティック・サムセンが、リサーチで訪れた県北で最も興味を持ったのが、波消しブロック(テトラポッド)だそうです。その形をユーモラスなものとして捉えて、ビーチボール素材の様なものを使い、カラフルな波消しブロック形状の作品を作り、河口を挟んで波消しブロックの上と手前の砂地に埋められた形で展示されて居ます。

波打ち際に並ぶテトラポッドは、その効用はともかく、何かと邪魔者扱いされるものです。私も海岸を撮影する際には、邪魔な人工物としてよけて撮影する場合が殆どですが、
「テトラパッド」のように、ユーモラスな親しみやすい作品にできるということは、意外な発見でした。作者の発想というか頭の切換は見事で、この作品は、余り難しく考えなくて、眺めて楽しめばそれで良いというつもりで、ご覧頂くのがよろしいかと思います。
【鑑賞記・写真:星川 雄】

テトラパッド
B-06 P-89 ニティック・サムセン(テトラパッド)
高萩市高戸海岸(前浜):高萩市高戸