田中信太郎沈黙の教会、あるいは沈黙の境界
大子町の旧上岡小学校。明治時代に建てられた木造の小学校です。校舎は、昭和初期の建築。明治12年4月20日に創立され平成13年3月31日に廃校となりました。現在はロケ地として以外にも地域住民の陶芸や絵画教室等にも活用されています。窓ガラスは全部昔のガラスで、学校の備品もそのまま残されており。当時の雰囲気をそのまま味わえます。

その旧上岡小学校の講堂が大変なことになっています。
床には漆黒の液体をたたえた沼が、ステージには黒い光を放つ卵型の立体が置かれています。講堂に一歩足を踏み入れると、鼻をつく墨汁の香りが。
現代美術のレジェンド、日立市に住む田中信太郎さんが、またやってくれました。
今回の県北芸術祭への出品作は、1970年に制作された「無題」という作品の再制作と言われていました。ウレタン素地に強い臭いを放つコールタールをたたえた作品「無題」。道路舗装などで多用された石油を原料とする素材を大量に使った作品は、当時の日本美術界からは驚きを持って迎えられたことでしょう。
それから50年近くの時が流れ、田中さんはその素材を“コールタール”から“墨汁”に変えました。
開発から文化へ、工事現場から教育の場へ、時の流れの中で、田中さんの思いは変わったのか同じなのか、しばし思いを巡らしながら鑑賞しました。
(鑑賞記・写真:山下伸二)

F-04 P175 田中信太郎(沈黙の教会、あるいは沈黙の境界)
大子町旧上岡小学校:大子町上岡957-3

或る夏、奇跡のために
日立市のシビックセンター新都市広場のランドマーク「或る夏、奇跡のために」も田中信太郎さんの作品です。いつも、いつも田中作品に、私たちは驚かされます。