遊べる彫刻(太田秀夫)
日本の四大鉱山の一角を占める日立鉱山は、工業都市日立市の発展の原点であり、日鉱記念館はその創業80周年を記念して1985年に同鉱山跡地に建てられました。
敷地内には本館、資料館、創業者久原房之助が居住した旧久原本部、更には堅坑の跡などが整然と配置されています。本館には創業者の胸像、創業から閉山に至るまでの歴史、日立の大煙突の設計図や煙害対策の一環としての桜の植樹、一山一家の気風と鉱山町のくらしなど、地下には模擬坑道や採掘された各種岩石などの展示があります。また資料館では日立鉱山で利用されたモーターなどの様々な重機や掘削ドリルなどが展示され、なかなか迫力があります。
現在はJXホールディングスが管理運営しているため、知る人ぞ知る存在ではありますが、一般の方でも一見の価値があるところです。地理的には日立市西部山側にあり交通アクセスに難がありますが、芸術祭期間中の土日祝日は御岩神社と合わせ周遊バスが日立駅海岸口から運行しています。
遊べる彫刻(太田秀夫)
今回の芸術祭では、動物にまつわる社会環境問題を表現するタイの芸術家ピピトゥクルの作品を展示しています。同氏がこの記念館を訪問したときに鉱山で使用された重機や掘削ドリルに感銘を受け、それをモチーフにして抽象化、部品化し、様々な昆虫の形に組み直すことが出来るオモチャを考案し、そのいくつかを本館2階に展示しています。
子供連れで行っても楽しめるのではないでしょうか。
(鑑賞記・写真:太田 秀夫)

タクシナー・ピピトゥクル「遊べる彫刻」
1973年タイ生まれ/在住
人間だけではなく、動物や自然などすべての存在が共に生きる社会に関心を寄せ、彫刻や写真によって動物に関する社会問題や環境問題に言及する。
2001年のアーカスプロジェクト滞在アーティスト。芸術祭では、日鉱記念館にて立体作品を展示する。炭鉱で使われたドリルを象った作品は、超合金ロボットのように変形し昆虫のような形になり、来場者が手に取って遊ぶことで、炭坑労働者の歴史と今をつなぐ試みです。

展示は、日鉱記念館の展示の最終コーナにあります。お時間に制約のある方は、入り口左側のらせん階段からお入り下さい(順路とは逆回りになります)
なお、日鉱記念館は月曜日と祝日が休館日ですので、お気をつけ下さい。最終入館時刻は15:30です。

土日祭日には無料シャトルバスが運行されています。停車場所は、日立駅=日鉱記念館=御岩神社=日立駅です。日立駅発車時刻は、10:00/11:00/12:20/13:35/14:45です。是非ご利用下さい。
日鉱記念館「遊べる彫刻」で遊ぶ親子:管理者撮影
A-16 P65 タクシナー・ピピトゥクル「遊べる彫刻」
日鉱記念館:日立市宮田町3585