フィールド・クリスタル・久保裕撮影

県北地域の5億年前の地層や鉱物に興味を持ち、そこから構想したのが「フィールド・クリスタル」という作品。
日立市郷土博物館には、日立市と常陸太田市の一帯に広がる多賀山地に5億年前のカンブリア紀の地層があり、そこから採取された岩石が展示されている。
この地域は、5億年前は中国大陸の一部だった。それから4億年間かけて大陸から離れて日本海ができ、今から1千500万年前に日本列島がつくられたそうだ。
フィールド・クリスタル・久保裕撮影
この県北地域の石に鉱物の結晶作用を起こして合体した不思議な石(クリスタル)が床に置かれている。こぶし大の大きさから小石のようなクリスタルが大小いくつもエリアを分けて置かれている。白いクリスタルは、持ち上げると消えるが地面に置かれているときは赤、青や黄などの色で光っている。
クリスタルの中にLEDライトが埋め込まれていて、床のクリスタルを置くエリアに磁場が発生するようにしてある。この磁場の変化に反応してLEDライトが光ったり消えたりする仕組みのようだ。
日立の地が5億年の前から大地としてあり、その上にある街は大きな地震で揺れることはあっても、地盤が沈下したり大波に削られたりすることのない盤石な地の上にあるようで安心できる。またこのような地層からの鉱物から作られたクリスタルを素材として新しいデザインを生み出そうとしている。なかなか興味深い。
(鑑賞記・写真 久保 裕)

A-13 P64 イアン・カルロ・ハウシャン「フィールド・クリスタル」
日立市郷土博物館:日立市宮田町5-2-22