今ここにある宙(そら) (林剛人丸)
今年3月に廃校となった北茨城市立富士ケ丘小学校。この会場に展示されている4つ作品のなかで、この作品だけは体育館の密閉された中にあり、外からは見ることができません。
展示会場に入ると真っ暗で一瞬戸惑いましたが、目の前に大きな飛行船が浮かんでいました。その船体には、流れる雲を描いた空の様子が船体の中に設置された電球の光を通して映し出されていました。そして、船体から漏れ出た光が天井まで届いて何とも幻想的な感じを受けました。
今ここにある宙(そら) (林剛人丸)
説明パネルには「かつて多くの人たちが集まり、活動してきた学校施設での日々を追憶するための装置です。飛行船の空を見上げるとき、みなさんの心の中によみがえる感情や想いを、静かに味わってみてください」と書かれています。
かつて、この体育館で子どもたちが、入学式の出合い卒業式の別れなどがあり、そして多くの友達と飛んだり跳ねたりしたときの思い出をこの飛行船に描かれた空を見上げながら学校の歴史とともに思い出してほしいとの作者の意図が伝わってくるように感じました。
(鑑賞記・写真 小澤正明)

C-08 P106 今ここにある宙(そら):林剛人丸
北茨城市立旧富士ケ丘小学校体育館:北茨城市関本町富士ヶ丘756-1