教室の窓からいつも見る風景 (日比野美術研究室附属病院放送部)
会場の北茨城市旧冨士ヶ丘小学校は、JR大津港駅から北西部へ車で15分ほど行った山間にある3階建ての小さな小学校。2016年春に関本第一小学校と統合し廃校となりました。廃校となったことによりかつて児童たちが使っていた学校の備品はほとんどありませんでした。しかし、その建物は内外ともにしっかりしており、教室もきれいでした。
作品は東京藝術大学の学生20名が参加し、廃校になった小学校の教室を使って、学校の歴史や地域の特性をふまえた上で「ここにどんなものがあったらいいか」を話し合い、段ボールを素材にしたはり絵です。
3つの教室を使って「教室の窓からいつも見る風景」をテーマにし、1つ目の教室では、床一面に敷き詰めた段ボールに森をイメージしたはり絵の最中、2つ目の教室では山の形をした段ボールが組み立てられていました。3つ目の教室では近くの森を形どった段ボールができていました。
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この作品は公開ワークショップで、見学者がいつでも自由に制作に参加できます。完成は10月下旬くらいの予定です。
いずれはこの3つの作品が合わさり、今はどのような作品に仕上がることか想像もつきませんが、壮大な作品に仕上がるものと思われます。
本日(9月23日)は、雨天であり窓から見える森、山々は少し霧にかすんでいましたが、この作品が仕上がるころには天気も回復しきっと、子どもたちが授業を受けながら窓から見えるいつもの風景が作品として出現するものと思います。作品が仕上がるころに来場するのも良いかもしれません。
教室の窓からいつも見る風景 (日比野美術研究室附属病院放送部)
出品者のHIBINO HOSPITAL(日比野美術研究室附属病院放送部)は、日比野克彦氏(アーティスト、東京藝術大学教授)とその研究室(東京藝術大学)によるプロジェクトとして1999年にスタート。
このプログラム名は、もともとインターネット上にホームページを開設し「アートによる診察」を施しながら、参加者を対象にアーティストともに作品を制作、展示するという内容に由来するとのことです。
現在ではオフラインのみの取り組みだそうです。
(鑑賞記・写真 小澤正明)
日比野克彦・撮影はブログ管理者
C-07 P106 教室の窓からいつも見る風景 (日比野美術研究室附属病院放送部)
北茨城市立旧富士ケ丘小学校:北茨城市関本町富士ヶ丘756-1