力石咲:ニットインベーダーin常陸多賀
常陸多賀駅に降り立ち、駅前の商店街を歩いて行くと手すり、看板、門扉、街路樹など街のあちらこちらにカラフルな毛糸(ニット)に編み包まれている異常な光景に出くわしました。これはニット・インベーダーを名乗る力石咲(ちからいしさき)さんのプロジェクト作品で、室内の編み機で編まれたニットが屋外の公共空間へと拡張されたものらしい。
多賀駅前大通りの旧銀行1階を訪ねるとニットで編み包まれた脚立、キャスター、ベンチなどの作品例と材料の編み物を糸巻から作る3台の自動編み機が天井から吊り下げられ稼働中でした。編み物材料は屋外で使用するため雨にも強いポリエステルとのこと。
力石咲:ニットインベーダーin常陸多賀
手の中で出来上がるような編み物が街へ出て行き日常の風景を変えてしまうこのプロジェクトは、人と街との密接なコミュニケーション形成を促すのが目的とのことで、ニット・インベーダーは世界を編み包む野望を抱いており、今後も世界のどこかで増殖を続け、常陸多賀駅前商店街はその壮大な計画の一部らしい。
何気なく通っている街中に突如として現れたアートは、その意外性にアッと驚いたり、不思議がったり、ユーモアを感じたり、自分のアイデアが浮かんだり、人それぞれに何らかの刺激を受け、また会話のきっかけにもなるなど大変良いかも知れない。
(鑑賞記・写真 宮原養治侶)
A-20 P68 力石咲(ニットインベーダーin常陸多賀)
旧銀行:日立市千石町1-4-18