KENPOKU ART 2016公式テーマソング「わたしは人類」やくしまるえつこ
やくしまるえつこさんが手がけたKENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭の公式テーマソング「わたしは人類」。
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やくしまるえつこ KENPOKU ART 2016 公式テーマソング 『わたしは人類』 ステートメント
「人類滅亡後の音楽」
 
人類は古来より伝達と記録によってその歴史を継続させてきた。そして音楽の歴史もまた、伝達と記録、ひいては変容と拡散の中にある。
 
歌われ/奏でられた音楽は、口承で/楽譜で/ラジオで/レコードやCDで/クラウドで、他者に伝えられ/複製され/演奏され、その過程で変異を発生させながら時空を超えて拡散する。
音楽とメディアの深いかかわりは、伝達と記録の関係性であり、それは遺伝子とDNAであるとも言える。
 
「KENPOKU ART」が開催される茨城県北地域には自然と科学の深い結びつきがあり、それは人間のユニークな創造性によって深められ、多くのエネルギーを生んできた。
自然とともに科学技術を発展させることは、自然のもつ記録/DNAを読み解き、その意味する情報/遺伝子を人間ならではの科学技術や芸術に置き換えて伝えていくことでもある。そしてそのさいに発生する/させる変異には大きな生命力――存続のためのエネルギー――が宿る。
 
このように様々なエネルギーをもつこの地の海と山には、古くかららん藻(シアノバクテリア)が生息している。
このシアノバクテリアの一種である微生物「シネココッカス」の塩基配列を組み込んだ楽曲を制作し、さらにその楽曲情報をコドン変換し、DNAを人工合成してこの微生物の染色体に組み込む。楽曲そのものはもとより、この遺伝子組換え微生物そのものを「KENPOKU ART」のテーマソングとし、新しい音楽――伝達と記録、変容と拡散――の形を探る試みである。
 
この音楽をDNA情報にもつ遺伝子組換え微生物は自己複製し続けることが可能である。いつか人類が滅んだとしても、人類に代わる新たな生命体がまたその記録を読み解き、音楽を奏で、歴史をつなぐことになるだろう。
 
やくしまるえつこ