茨城県北芸術祭のコミュニケーションディレクター・林千晶が“海か、山か、芸術か? ケンポクのススメ”をブログに投稿。“Seek New Potential”(http://loftwork.jp/blog/chiaki/index.php
茨城県北芸術祭、日に日に来場者が増えているようで、嬉しい限り。のべ来場者数も開幕1カ月で目標突破、31万4千人に到達しました!
コミュニケーションディレクターとして関わったこの芸術祭で考えたこと、挑戦したことをまとめてみました。
色々伝えたいことがあって、全3部の長作です(笑)

ザドックの世界
その一 日本には芸術祭が多すぎる?!http://loftwork.jp/blog/chiaki/899
北川さん曰く、「芸術祭が多いからって、何の問題があるんだい。アートはさ、『つまらない』ってことはあっても、害はもたらさないよ。ちょっと増えたからと文句を言っている暇があったら、僕はアートの可能性を追求したい」と。 
また、南條さんはこうも言っていた。「日本には古くから祭りの文化がある。春祭、夏祭、秋祭。日本中、いたる所で祭が開催されていて、地域をつなぐ役割を担っている。隣町で祭をやるからこの町でやってはいけないというルールはない。芸術祭も、同じではないか。文字どおり、現代版の『祭』として、地域のコミュニティを作り、土地の価値を継承する役割を担えるのではないか」と。二人ともさすが説得力があるなあ、と感心してしまった。
見よう見まねの活動では意味がないけれど、芸術祭が多いという理由だけで否定するのも、これもまた乱暴。芸術祭は、忘れられていた土地、そこで暮らす人の生き様に目を向け、アーティストの新鮮な眼差しを通じて、価値を再発見する役割を担うことができる。それが、訪れた人に思わず「わお!」と驚きの声をあげさせる新鮮な体験となり、その土地で暮らす人たちの活力にもなりうる。色々な可能性をひめた、壮大な社会実験。それが私の芸術祭に対する認識だ。
日鉱記念館
その二 茨城という地が紡ぐ奇妙な物語http://loftwork.jp/blog/chiaki/916
茨城は、奇妙な場所だ。「茨城といえばこれ」という有名なものがあるわけではなく、(それゆえか)人気ランキングではいつも最下位を争っている。では、本当に面白いところがないのかと問われれば、答えは、ノー。知れば知るほど、興味深い事実が出てきて、見たことのない景色に引き込まれていくことになる。 
最初に強烈に惹きつけられたのは、日鉱記念館だ。日立駅から車で約20分離れた日立鉱山の跡地に建てられたこの記念館では、明治以降の日鉱グループ(現JXグループ)の軌跡が展示されている。びっくりするのは、たった一つの銅山から、日産自動車、日立製作所、JXグループという、現在の日本を代表する3つの企業が生まれていることだ。 
採掘した銅を坑道内で運ぶための技術が、自動車をつくる技術の基礎となり、日産自動車へと繋がる。採掘された鉱物を地下深くから引き上げ、平地まで移動させるための動力や滑車の技術が、日立製作所を生む。そして生まれたエネルギーの販売は、時代に応じて形を変えながら、現在もJXグループの主力事業として続いている。

和田永さんのパフォーマンス
その三 改めて、アートとは何かhttp://loftwork.jp/blog/chiaki/959
書き始めたら止まらなくなり、何とも長いブログになってしまった。これも芸術祭の魅力ゆえと解釈してもらいたい。
芸術祭のクロージングは11月20日。前日の19日には、和田永のクロージングパフォーマンスも予定している。家電の聖地とも言える日立駅で、芸術祭期間中ずっと集めてきたテレビや扇風機を積み上げて楽器に変えて演奏するという、クレイジーなイベントになるみたい。 
百聞は一見に如かず。