ザドック・ベン=デイヴィッドの二つの世界

茨城県北芸術祭は11月20日で閉幕。
これは絶対に見逃すな!という作品を、カウントダウン形式で紹介します。
ラスト7日:ザドック・ベン=デイヴィッドのブラックフィールド

常陸大宮市の旧家和楽青年の家。体育館の真っ白な砂の上には、黒い林のような風景(ブラックフィールド)が広がっています。静謐なその世界は、一つひとつが小さく繊細な金属製の草花の切り抜きで構成されており、その数は約2万7000本。全ての形象は植物図鑑からとられた実在の草花です。大小寄り添うように壮大な風景を形成しています。
展示空間を進み、作品を反対側から見るとそれぞれ華やかな色彩に彩られていて、驚かされます。花は様々な文化的背景をもつ人たちによって塗られ、一つとして同じ色がありません。最初モノクロームに見える風景は、背後にカラフルな風景を隠しています。多様な植物と多様な人間が共存することで、世界が形成されていることを思い起こさせます。

E-10 ザドック・ベン=デイヴィッド(ブラックフィールド)
常陸大宮市旧家和楽青年の家:常陸大宮市家和楽161